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北九州市立大学

未知生命を
解き明かすことで
地球の営みを
実感することができる。

国際環境工学部
環境生命工学科※
柳川 勝紀 准教授

柳川 勝紀 准教授

※2025年度から環境生命工学科の名称が生命工学科に変わります

研究の魅力

 我々は自然環境中に存在する難培養性微生物に着目し、その分布、系統、機能、活性を解明すべく、生物学と地球科学の分野横断的な研究を進めています。地球上では至るところに生命が存在しています。深海や地底、超高温の地熱水などの「極限環境」と呼ばれる、生育に適しているとは思えないような条件下にも生命圏は広がっています。こうした環境ではほとんど全ての生命が未培養性微生物であり、性状や機能、餌さえも未知です。このため、宇宙における暗黒物質にちなんで、「微生物ダークマター」と呼ばれています。地球生命圏を構成する未知生命を一つずつ解き明かすことで、太古から続く生命の営みを実感することができる点が研究の魅力と考えています。

研究の源

 生物好きであれば誰もが共感できることと思いますが、「生命の起源」を知りたいという動機から生物学を志しました。始原的な微生物の研究を通して、生命誕生の謎に少しでも迫りたい、という想いで研究を進めています。微生物はその名の通り非常に小さな生命体ですが、生息範囲、総数、全球的物質循環への寄与を考慮すると、地球はまさしく微生物の星と言えます。1?mの生命を研究することで、円周4万キロの地球の見え方も変わってきたと感じています。

研究の未来

 地球微生物学(geo-microbiology)は、生命—地球の共進化、包括的理解を目指したものであるのみならず、エネルギー問題や環境問題にも繋がる視点を有しています。微生物に秘められた無限の可能性には、地球規模の科学的諸問題への解決の糸口が隠されていると期待しています。さらに、この分野の研究は地球外生命探査にも繋がることもあり、今後更なる発展が期待されます。

ゼミのイチオシ

 研究室を主宰して4年目になりました。現在は学部生3名と修士学生5名から構成される小さなラボですが、世界と競い合えるグループを目指し日々努力をしています。そのために、ゼミでは国際学術誌に掲載されている英語論文を輪読しています。また、積極的に野外調査に出かけるようにしています。温泉調査の空き時間に足湯につかって、地球の営みを体感し、好熱菌の気持ちになって考えると新しいアイデアが生まれることもあります。

先生のイチオシ

フィールドワーク(野外調査)に基づいた研究を実施しています。本学では、地熱水、湖沼、汽水、海洋、森林といった自然環境を相手にしています。自分の足を使って調査することでやりがいが生まれますし、なによりフィールドは毎回新たなことを教えてくれる偉大な先生と言えます。

オフショット

休日は近くの公園に出没するようです。特に○リーンパークでの目撃情報が相次いでいますが、見かけても絶対に餌を与えないでください。子供と昆虫採集をしたり、テントの中で本を読んだり、昼寝をしています。また、埼玉は海なし県のためか、海が大好きです。

Profile

柳川准教授
プロフィール

翔んで埼玉出身。生物学者を目指したきっかけは高校時代の生物の先生にあります。虫網を持って蝶を追いかけることが大好きな方でした。長期休暇の際は東南アジアまで採集をしに行っていたようです。とにもかくにもエネルギッシュな方で、高校教師の傍ら研究をしたり、特許を取得したりしていたようです。時代の最先端にいる研究者を紹介するテレビ番組にも出演するほどの活躍をされていました。最近、その恩師に再会したら、なんと大学教員に転職していてバリバリ研究をされているようでした。負けていられません!

柳川准教授イラスト

国際環境工学部Faculty of
Environmental Engineering

  • エネルギー循環化学科 安井 英斉 教授
  • 機械システム工学科 長 弘基 准教授
  • 情報システム工学科 西田 健 教授
  • 環境技術研究所(情報システム工学科 兼務) 松田 鶴夫 教授
  • 建築デザイン学科 Bart Julien Dewancker 教授
  • 環境生命工学科 加藤 尊秋 教授
  • 環境生命工学科 柳川 勝紀 准教授
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