2022.4.15 教員著作図書
離婚の文化人類学 : 現代日本における〈親密な〉別れ方
著者?編者名 |
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アリソン?アレクシー著(濱野 健訳) |
所属(学部) |
文学部 |
発行年月 |
2022年 3月 |
出版社名 |
みすず書房 |
内容 |
家族規本著は、2000年代の日本の社会変動とそれが私たちの「親密性」のあり方にもたらした影響を、丹念なフィールドワークにて掘り下げて論じた、米国の文化人類学者によるモノグラフです。離婚という、親密な関係性を「終了」させるイベントを経験した人たちが抱えることになる寂しさや後悔、そしてそこか始まる「始まり」の可能性、あるいは離婚を前向きに実践しようと考える人たちや、そうされないようにと一生懸命に生きようとしている人たちが、別れに伴い抱える様々なそして複雑な想いに触れつつそれぞれを丁寧に描くことで、2000年代の日本で、私たちは身近な関係性のあり方を通して、自分たちが生きている社会をどのように感じて、それが自分にもたらす様々な結果に向き合おうとするのかが考察されています。戦後日本における社会的インフラとしてのジェンダー構造や、日本の文化的な文脈がもたらす独特な関係性への注目によって、いま現在の日本がどのような構造で成り立ってきたのか、そしてその中のどの部分が変化したか(変化しなかったか)を知ることもできます。そして現地においてそれぞれの人たちの語りや想いに真剣に向き合う著者の姿は、フィールドワークから文化や社会を考えようとする人にとって、その方法を学ぶ上でもオススメの一冊です。 範からの解放、生殖の重視から個人的幸福の追求(同性愛、妊娠中絶、離婚、婚外恋愛の許容)へのシフトという家族の変容は世界的にみられるが、公的財政支出を抑制するために性別役割分担を維持したアジアの特殊性である「家族主義」を考える。 |
※図書の画像は出版社から許可をいただいて掲載しています。